【2023.12.06発表】中国産ハイドロキノン(ヒドロキノン)の輸入販売開始について

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三宝化学工業株式会社(本社:東京都北区、代表取締役:矢船 琢也)はフッ素化学品、高純度特殊ガスの輸入販売を手がけるUniPo株式会社(本社:茨城県つくば市、代表:張 小燕)と、上甲電子有限公司(本社:中国・重慶市)が生産するハイドロキノン(ヒドロキノン、以下「ハイドロキノン」に表記を統一)の輸入販売に関する業務提携に合意いたしました。
販売開始は2024年1月を予定し、日本市場(日系企業の海外拠点を含む)への初年度販売目標を500トンとして、今後、市場動向を見極めながら、ハイドロキノンおよび1,4-ベンゾキノンの誘導体(TBHQ、DBH、DAH、 BHA、p-アミノフェノール等)を、順次市場に投入する予定です。

生産元である上甲電子有限公司について

上甲電子有限公司(以下:上甲社)は2008年に設立。中国三大マンガンメーカーの一つで、マンガンの生産量は年間20万トンに達します。上甲社のハイドロキノンは、アニリン法(詳細後述)によって生産され、年間2万トンのキャパシティーを有しています。
ハイドロキノンの生産時に発生する副生物は、肥料や電池材料に用いられることから、環境への配慮もしつつ、コスト的にも優れた生産方法を採用しています。

⇒UniPo株式会社のホームページはこちら(外部サイトに移ります)
⇒上甲電子有限公司のホームページはこちら(中国語・外部サイトに移ります)

-ハイドロキノンとは-

ゴム薬品、染料中間体、有機合成還元剤、重合防止剤といった用途に用いられ、日本でのハイドロキノン生産量は年間15000トン以上とされています。世界的に、ハイドロキノンに関する需要が拡大し続け、年7%とも言われる伸び率での市場拡大が予測されていますが、これに対して、日本市場は常に供給がタイトな状況が続いています。

ハイドロキノンの製法はアニリン法(マンガン法)、フェノール法(クメン法)、フェノール法の派生となるDIPB法があります。

アニリン法は古くからある製法ですがマンガン・鉄などの副生物が多く、環境負荷も大きいことから、世界的な主流はフェノール法に移りました。中国では8社がアニリン法でハイドロキノンを生産していましたが、現在は全ての企業が生産を停止しています。
上甲社では、ハイドロキノンを生産するためにマンガンを使用するのではなく、電池・電子向けマンガンを生産するためにハイドロキノンが産出されるという、逆の関係にあります。従って、他の副生物も肥料等に利用され、環境負荷が少なく、コスト的にも優れた生産システムを確立しています。

フェノール法は空気酸化により容易にフェノールからハイドロキノンが生成され、環境負荷が小さく、アニリン法に比べ低コストで生産される事から主流になりましたが、同時にカテコールが副生されます。触媒を用いることで、ハイドロキノンとカテコールの比率を変化させることは可能ですが、カテコールの需要規模が小さいためハイドロキノンの生産量が制限されている状況です。